辞意の表明と退職届

初めて就職する場合と違い「転職」の場合にはまず現在勤めている会社を辞めるという作業が必要になります。
退職理由が何であれ「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、できるだけ円満に退職することが大切です。
一般的に自己都合によって退職する場合には「退職届」を提出しますが、いきなり退職届を出すのではなく直属の上司に対して事前に辞意の表明をしておくべきでしょう。
そして辞意表明のタイミングですが、できれば転職先の採用が決定した後にすべきです。
採用が決まらない内に辞意表明をしてしまい、万一転職先が決まらなかった場合にはいきなり失業状態になってしまうことになりますので注意が必要です。
まずは直属の上司に対して辞職の意思を伝えることになりますが、その際は正直に「もっとキャリアアップを目指したい」といったことや「能力をより発揮できる環境を求めたい」といった転職理由を正直に言いましょう。
すぐに了解を得られる場合もあるでしょうが、慰留されるというケースも考えられます。
人不足の職場であれば、一人でも辞められることは業務上大きな障害になってしまう場合もあるので、何とか辞めないように説得されることもあるでしょう。
中には昇給や昇進といった条件を提示して引きとめるという場合もあるかもしれません。
たとえその条件が非常に良いものであったからといって、その条件を飲んで辞意を撤回するというのは考え物です。
辞めると言わなければ待遇は今までと変わらなかったはずですので、辞意を表明したからといって急に待遇を変えるような会社はハッキリ言って正当な人事を期待できないでしょう。
転職という初志を貫徹し、はっきりと辞意が変わらない旨を伝えることが大切です。
退職届について
会社に対して退職届を提出するタイミングについてですが、まずは就業規則を確認してみましょう。
通常は1ヶ月前などといったように一定の期間を設けている場合が多いので、その期間を考慮して退職届を出すことが大切です。
上司への口頭での辞意表明が1ヶ月前であればよいのか、それとも正式な退職届の提出が1ヶ月前まででなければならないのかは事前に確認しておきましょう。
退職届の他に「辞表」という言葉を耳にすることもあるかと思いますが、一般的には辞表というのは役員などの役職に就いている人が辞める場合や公務員が辞める場合に使用するものです。
経営者と従業員という関係での「雇用契約の解約」を申し出る場合は「退職届」という言葉を使います。
「一身上の都合により」という記載が一般的であり、仮に会社に対して不満などがあったとしても退職届への記載はやめましょう。
書式としては手書きでの縦書きというのが伝統的な書き方ではありますが、最近はパソコンを利用したり横書きにしたりする場合も多いようです。
ただし、パソコンを利用した場合であっても名前だけは自署するようにしましょう。
また、それぞれの会社の業務内容にもよるでしょうが、あなたが退職した場合あなたのしていた仕事を誰かが引き継ぐことになります。
しっかりと業務を引き継ぐことは円満な退職には絶対に必要な要件となりますので、与えられた期間の中で円滑に業務の引き継ぎを行いましょう。
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